「英語の習得は若いうちに」「できれば子供のうちに英語に触れてないと難しい」「 海外に住んでいない限り英語の習得をするのは不可能」、こんな話を聞いた方もいらっしゃるのではないのでしょうか。この話は半分正解で半分間違いだと思います。物事が全て一長一短であるように、英語学習開始における年齢も一長一短です。本日はこの”英語学習における年齢”についての私の解釈を紹介したいと思います。それを踏まえ、大人ならではの学習戦略についてのお話もします。
1.なぜ英語の習得は子供が有利で大人は不利と言われるのか
ご存知ない方もいらっしゃると思いますので、一般的な若いうち、いわゆる子供の方が英語の習得には有利に働くという通説について説明したいと思います。一言で言うと、若い頃は脳が柔軟なので大人に比べより簡単に早く英語を習得できるというものです。確かに帰国子女の方を見ると、英語を自在に使いこなす一方で、大人になってから海外に移住した人が帰国子女並みに英語を使いこなせるかと言うと、数は多くはないと思います。(※個人的見解を含みます)しかしこれは、先ほども述べたように「半分正解で半分間違い」です。これは どのように両者が言語を習得するかの違いで説明ができると思います。
2.子供と大人の言語習得プロセスの違い
まずは子供の言語習得プロセスの一般的理論を説明します。子供のうちは未知語も多いので、新しく触れる単語を音で理解し、それをそのまま意味と紐付けて記憶します。一方で大人の言語習得プロセスは、第二言語を学ぶ時に、第一言語である母国語を使って理解しようとします。私たちが英語を学ぶ場合は、日本語を介して英語を理解しようとすることとなります。最初のうちは頭の中でいちいち日本語から英語に変換しようとする癖がありますし、 日本語の音で置き換えて英語を理解しようとするので、子供が直接英語を取り込もうとすることに比べると、無駄が発生することになります。また、この日本語の音で英語を理解しようとする癖がまさに曲者で、日本人が英語を学ぼうとする時に最もハードルが高いものの一つとされる「発音の壁」でもあるといえます。では本当に子供に比べて大人は英語習得に不利なのでしょうか?
3.英語はコミュニケーション。経験の多さをコミュニケーションに活かす
私は大人だからこそのメリットがあると思います。それは人生経験の豊富さです。本来、英語はコミュニケーションの手段なのですが、日本では英語自体が目的化し、英語が完璧に習得できないとコミュニケーションができないかのように思われている節があります。私たち大人は、日本語でのコミュニケーションならば相手の言いたいことをほぼ100%理解できます。日本文化特有の「行間を読む」能力を発揮して、言葉の節々から相手の気持ちを推し量ることができます。これは英語には応用が効きます。私も英語の学習を始めたての頃はまったくしゃべることもできませんでしたが、会話をする相手が何を考えているかを意識しながら話すことで、意思を疎通させることができました。英語初心者の頃は完璧を目指して尻込みするのではなく、相手が何を言いたいのかを考えて話すことでカバーできることも多いはずです。
4.培った経験から合理的な英語学習の戦略を立てる
経験が多いということは一つのメリットに留まりません。今まで学業や仕事で培われた経験から、合理的な英語学習の戦略を立てることができます。現代において、英語学習の方法やツールなどは巷に溢れています。収集した情報から自分に合う学習目標を設定し、学習の方法やツールを適切に選択することで、限られた時間ながらも無駄のない学習を進めることも可能です。学習を進めていく中で停滞を感じれば、別の学習方法を選択し停滞を打ち破り英語の能力をさらに伸ばすこともできるでしょう。
5.不利を覆すために音のトレーニングに重きを置く
経験により英語でのコミュニケーション力をカバーし、合理的な英語学習の戦略を立てる一方で、無意識に日本語で理解しようとする癖が分かっていますから、意識してそれを変えてみましょう。机に向かって紙とペンを用いて勉強するのを控え、音読を取り入れてみましょう。音読は効果抜群な学習法です。音読をすることによって、英語を音によって捉えようとする意識が働きます。多くの英語テキストにはCD音源が付いており、ネイティブの発音する音声が吹き込まれています。聞こえた通りに真似をしながら発音をすることで、少しずつ 頭の中で日本語に変換をする癖が抜けていきます。いきなりこれを始めるのはハードルが高いので、まずは発音記号の読み方・発音変化のパターンなどの基本を学習するのが良いでしょう。
まとめ
本日の記事では、大人だからこそできる英語学習戦略についてお話をしました。英語はコミュニケーションツールなので、今までの人生で培った経験で相手の言いたいことを想像すれば、コミュニケーションはよりスムーズになります。学業や仕事で培われた経験を活かせば、無駄のない学習プランを立てることもできるでしょう。また、弱点と一般的に言われている「英語を英語のまま理解するのが苦手」という点についても、意識をして音から英語を習得するトレーニングを英語学習に取り入れることで、その弱点もカバーができます。
ぜひ参考にして頂けると嬉しいです。
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