英語を使ってコミュニケーションをとれるようになりたいと思ったとき、「どんな学習から取り組めば良いか」「どんな学習法が最も即効性のあるものだろうか」と考えたことはありませんか?
今回は私が最強の英語学習法の一つであると、自信を持っておすすめしたい「瞬間英作文」について詳しく紹介したいと思います。
瞬間英作文とは
瞬間英作文とは、中学レベルの簡単な単語のみを用いて、簡単な文章を瞬間的に数多く作成し瞬時に発声するという、大別すると”スピーキング”の訓練になります。英語を長年指導されている森沢洋介氏の著書「瞬間英作文シリーズ」がとても有名で、私自身も大変お世話になっています。中学レベルの語彙で取り組むことができるので、英語初級者にはもちろんのこと、一通り英語でのコミュニケーションができる中級者にも会話のスムーズさを向上させる目的でおすすめできます。難解語彙や文法を理解できる上級者にとっても、使用する語彙や文法のレベルを調整すれば、瞬時に意味の通る文章を組み立てる訓練に適しています。
瞬間英作文に取り組む意義
会話のスピードで言いたいことを英語で言う力が飛躍的に向上します。
まさに皆さんが欲しているものではないでしょうか。
日本人は英語を中学・高校で学習しますが、その本質はテキストで学んだ知識の多寡を競うものでしか無いと感じています。和文英訳も時間をかければ文意が通るものが書けるかもしれませんが、簡単な英単語を使用した会話すらできないことも往々にしてあります。
それは「英会話の訓練をしていないから」です。理論だけを聞いて水の中で泳ぐことができないように、英語を使ってコミュニケーションをするためには「会話の練習」が必要になります。
私自身も初級者の頃、「挨拶をする」「会議」といった簡単な表現が会話の中で出てこずに苦労したことがあります。※それぞれ”say hello”、”meeting”という表現で事足りますが、なんで出てこなかったんだろう…
私が見る瞬間英作文の扱われ方
これほど有用であることをはっきり認識できる学習法があることは素晴らしいことなのですが、今まで私が見てきた英語学習者の皆さんのことを振り返ると、そんなに人気の学習法では無いようです。人気の学習法といえば、TOEIC模試、英単語暗記、文法といったような、日本人にはとっつきやすいいわゆる「机の上の学習」です。
少し調べてみると、英語同時通訳者も取り組んでいる学習法であるのですが、
- 瞬時に話せない自分を直視するのが怖い
- 話せないことで、学習開始当初に、英語学習へのモチベーションがくじかれる
- 地味な学習法なので面白みが無い
といったようなことを原因として人気化していないのではないかと予想しています。
はっきり言ってこの学習法に取り組まないのはもったいないですし、英語力を伸ばすには遠回りとなるように思います。
瞬間英作文の効果
瞬間英作文は”スピーキング”に分類されるのですが、他にも効果の大きい学習法です。
英単語・文法知識を体得できる
トレーニングに使用する英単語や文法知識を、作る英文の中で使用することで、使えるようになります。特に重要な”語順(いわゆるSVOというやつです)”については、かなり体得が進みます。語順が変わっても日本語では話が通じますが、語順が変わるだけで英語では話が通じなくなります。
即座に英文を組み立てる精度とスピードが向上する
これが最も期待される瞬間英作文の効果です。適切な単語・文法を使って、文意の通る英文をスピーディーに組み立てることができるようになります。練習を積み重ねていくことで、脳内での英語への翻訳スピードは更に向上し、日本語を介さなくても英語を理解し話すことができるようになります。
リーディングのスピードが上がる
意外かもしれませんが、リーディングのスピードも向上します。英文を作成するとき、主部、述部、目的部のように英文をパーツとして理解することができるようになります。つまり、「英文がどこで意味的に切れるか」を瞬時に理解することに役立ちます。
瞬間英作文だけでは期待できないこと
瞬間英作文はメリットの大きい学習法ですが、その特性上カバーできないこともあります。
新たな英単語・文法の習得
新しい語彙や文法知識は他の学習法との組み合わせが必要です。瞬間英作文は、「知ってはいるけど使いこなせないこと」を使えるようになる学習法です。
発音
瞬間英作文は声に出すトレーニングですが、正しい英語の音・発音記号の読み方・発音の仕方を知らないことには発音は向上しません。正しい発音の理解があって初めて、それを自然な英語発声の中に落とし込む実践の場所として、瞬間英作文を活用することができるようになります。
流暢さ
流暢さを向上するためには、英語ネイティブ・上級話者の話し方を真似することが必要です。瞬間英作文トレーニングで英語ネイティブ・上級話者の話すCDを活用すれば、この効果を狙うこともできるでしょう。
瞬間英作文の学習例
ここでは、私も愛用している森沢洋介さん著「瞬間英作文シリーズ」を用いた学習法の一例を紹介します。
見開きのページの左側に日本語、右側に英語が掲載されています。
基本的な進め方
- 左側のページの日本語を見て5秒以内(最初は10秒くらいかけてもOK)で英語を脳内で作成する
- 1で作成した英語を発声する
- 右側のページを見て合っているか答え合わせする
- 右側のページの英文を3回程度見てブツブツ唱える
- 4で唱えた英語を、見ずに暗唱する
- どんどんページを進め、最後まで終わったらまた最初のページから行う
- 何度も1冊を周回する
ポイント
できたパーツからすぐに発声を開始する
できたパーツから発声を開始することで、英会話の感覚に近づけることができます。
またどこで自分が詰まっているかが検証しやすくなります。
答え合わせの際に主部・述部・目的部のパーツごとの理解を行う
パーツごとに理解することで、単なる暗記ではなく、「どのように言うと意味が通じるか」という観点から英文を観察できるようになります。
また、5の暗唱をスムーズに行うことができます。
学習時間と効果
1日1セット15分を2・3回行いましょう。1回あたりの時間を増やすのではなく、セット数を増やすことが高い効果につながりますし、1回あたりの心理的負荷が軽減できます。朝・晩や朝・昼・晩のようなパターンに分けて実施してみてください。
仮に1日30分をしっかりやりこめば、1ヶ月で英文の話出しが滑らかになり、3ヶ月で詰まりながらもなんとか英文を言うことができるようになります。取り組み方や他の学習法との組み合わせでさらなる相乗効果も期待できます。
※私個人の感想ですので、個人差はあります
まとめ
- 英語学習に取り組むなら「瞬間英作文」は最も効率の良い学習方法の一つ
- どのレベルの学習者にも効果のある学習法
- 短期間で学習効果を感じやすい
1回あたりのレッスンがとても安いのですが、講師の質も良く、コストパフォーマンスに優れています。ビジネスパーソン向けの教材が揃っているので、仕事で使えるハイレベルな英会話を身につけたい人におすすめです。