なかなか学習時間に時間を割けないサラリーマンであれば、「短期間でリスニング力を大きく伸ばす学習方法」だとか、「カタカナ英語を脱し、短期間で発音が良くできる方法」、「ネイティブのような流暢さを手に入れる方法」、そのような効果的な学習方法はないかなと思ったことはおありかと思います。今回はそのようなお悩みをお持ちの方におすすめできる学習法を紹介したいと思います。
即効性のある英語トレーニングは音読
私が今までやってきた中で一番効果の高い学習法だと思うのは音読です。
なぜならば、音読は「目で見る」「口で音を発する」「その音を耳で聞く」という3ステップで構成されており、脳内に記憶として定着しやすいからです。
勉強と言うと何かと机に向かって単語を書き連ねてみたり、文章読解に取り組んでみたり、模試を解いてみるなどのイメージを思い浮かべがちですが、個人的にはこれは音読がベースにあって行うべきものだと感じています。(国語を学ぶ小学生も音読してますよね)
今回はその中でも最も効果の高い学習法のひとつと言われているシャドーイングについて取り上げたいと思います。
シャドーイングについて
シャドーイングとは耳から入った英語の音源を0.5秒から1秒遅れて、聞こえたまま発声するというトレーニングです。 初心者でも難易度を調整すれば、すぐに取り組むことができるトレーニングで、多くの技能にポジティブな影響をもたらします。
やり方
自分が理解できる音源付きテキストを用意
まずは自分に適した、リスニング音源付きのテキストを用意しましょう。
自分に適したテキストというのは、「自分が理解できるテキストかどうか」ということです。単語が難しくなく 英語のスピードもう自分がついていける範囲のものを選びましょう。
初めての方へのおすすめは TOEIC の公式問題集のリスニングパートです。スラングが入ってないですし、長すぎる文が少なくチャレンジするにはとっつきやすい教材だと思います。
テキストの長さは音源で3分以内
あまりにも長いテキストの長さだと集中してトレーニングができません。長くても3分以内のものに限定した方が最初は良いと思います。
⇒再生するパートの単語や文法的な理解を最初に済ませておく
シャドーイングの前準備として再生する音源については、単語や文法的な理解を最初に済ませておいてください。 何度か音読をしてどのような内容なのかということを前もって理解しておくことも大切です。
音源に少し遅れてついていく
テキストが準備できましたら音源を再生し、0.5秒から1秒ほど遅れて聞こえてきた英語を真似して発声してみましょう。 最初はスピードについていくのが難しいかもしれませんし、何を言っているのかが聞き取れない可能性もありますが、聞こえたままの音を発音してみましょう。
追いかけながら意味を頭の中でイメージ化
これは音源についていくことができて、正確な発音ができてきたらで構わないのですが、可能なら聞きながら意味を頭の中でイメージ化してみましょう。 頭の中でドラマのワンシーンのように発声する英語の内容が再生されるようなイメージです。これを行うことで英語の音を聞いて意味が理解できるという一連の流れが完成します。
繰り返す!聞こえた音を口に出せてイメージ化がスムーズになるまで
音源を再生し、その音源に少し遅れてついていくことをセットを決めて繰り返しましょう。
音読は体力を使うトレーニングになりますので、時間を決めて実施するのが良いと思います。例えば、30分のトレーニングを行うならば1分の音源に対し休憩を入れながら20回繰り返すというようなイメージです。
また一つのトピックは、聞こえた音を口に出せて頭の中でイメージ化できることができるようになるまで繰り返し使用し、それが終わってはじめて次のトピックに移るようにしましょう。
なのでトレーニングを始めた最初のうちは同じオンゲームを何日も連続で使うようになると思いますが慣れてくると1日に複数のトピックを回せるようになります。
※自分には厳しいと思う場合は
そうは言っても自分にはちょっと難しいよ…という人もいると思います。
その場合は他の音読の練習と組み合わせて行なってみましょう。
何を言ってるのかが聞き取れない場合は文章を見て CD の音源と一緒に発声をしてみてもいいですし、CD の音源が早すぎる場合は音源なしの音読で十分に意味理解を深めてからでも OK です。こういった練習方法とシャドウイングと交互に行うのも効果的だと思います。 できるだけ続けられる、習慣化できる方法を探してみましょう。
シャドーイングで期待できる効果
リスニング力の圧倒的向上
集中して英語の音源を聴いてそれをすぐに繰り返していくことでどんな音が発せられたかということがより正確にわかるようになります。
発せられている英語の音が分かってくるとだんだん英語の意味も聞きながら理解できるようになってきます。 これにより TOEIC のリスニングパートでも得点の伸びが期待できますし英会話においても相手の言ってることがより理解できるようになります。
発音・流暢さ改善
ネイティブが発声する英語の音源を真似することで、文章を見ずに英語の音に集中して話す訓練になります。これによりカタカナ英語からの改善が期待できます。またネイティブのイントネーションについていくことで文章の中でどこに強弱をつけるのかであったり、どのように音と音がつながっているのかということを、体感で身につけることができるので流暢さも大きく改善が期待できます。
トピックに合わせた語彙力向上
何度も繰り返し同じ音源を聴き込んで声に出すことを繰り返すことで、音源の中に出てくる英単語をより深く理解できます。選ぶトピックに応じて英単語の種類は異なりますから、例えばビジネスのトピックを選ぶとビジネスに特化した英単語を身につけることも可能です。
ついでにリーディングスピードも上がる
実はシャドーイングによってリーディングのスピードも上がります。 音源のネイティブの発声スピードに強制的についていくトレーニングをすることによって、リーディングをしている時にそのスピードで読む癖がつくことに気付くはずです。 このスピードで読むためには英語を英語の語順で理解しなければなりません。これもシャドーイングにより養えます。
シャドーイングだけでは期待できない効果
文章を組み立て話すこと
シャドーイングでは主体的に英文を作る能力は期待できません。しかしながら多くの英文を読み込むことで文構造を直感的に理解できる力は身につきます。これを基に、瞬間英作文で自分が伝えたいことを即座に英語に置き換えて発声する訓練を掛け合わせることで、文章を即座に組み立て話す力を高めることはできます。
デメリット
最初は全くついていけず楽しくない
慣れないうちはシャドーイングを効率よく行うことが大変に感じるかもしれません。紹介した通りシャドーイングはメリットの大きい学習法ですから、他の音読練習法を組み入れて継続することが最も大事です。慣れてきたらシャドーイングをメインに据えた練習メニューを組み立て回数をこなせるようにしていきましょう。
同じことを繰り返すため退屈
シャドーイングは練習の性質上同じ音源に沿って音読を繰り返す練習です。そのため内容的には退屈を感じるかもしれません。 退屈で続かない方は、他の音読練習法を組み入れて飽きがこないように工夫することも継続するためのコツです。
どれくらいやればいい?
1日1時間で1ヶ月後には単語毎に聞こえ始める
私の経験上、1日1時間くらいやれば1ヶ月後には雰囲気で理解していた英語の音源が単語ごとに聞こえ始めます。 継続して実施することで一度聞いただけで意味まで理解できるように少しずつなってきます。
3ヶ月でTOEICリスニングスコアにポジティブな効果
私の場合シャドーイングを3ヶ月続けた時点で TOEIC のリスニングが100点程度突然伸びました。 この学習法の恩恵もあると思いますが、シャドーイングをやってなかった頃には実感できなかった効果です。
まとめ
シャドーイングは時間帯効果の高いトレーニングです。リスニング力向上に圧倒的効果を発揮しますし、副次的に他の能力も飛ばすことができるので効率の良いトレーニングといえます。 また、他のトレーニングと組み合わせることで、取り組みに対するハードルを下げることができるので、すぐに練習メニューに加えることが可能です。
シャドーイングを実施し、短期間での英語力向上に励みましょう!
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